動画公開_RCと木の混構造で日常と非日常をたゆたう
アルテック/阿部勤さんが30年以上前に設計された住宅を動画に撮らせていただきました。
阿部さんがお得意とする混構造の住宅。
RC棟は地下1階地上3階建ての4層で、木造の棟は平屋という構成。これは、傾斜地をうまく利用するためのものです。複雑なプランとエレベーションで、事前に図面を見てもよくわからず……実際うかがっても、全体像をつかむのに時間がかかりました。いつもの間取りイラストに断面図も添えてみましたが、わかりにくいと思います(動画で説明するのは難しい……)
RC棟。玄関まわりの硬質な空間 ↓
↓ ガラッと雰囲気の違う木造平屋のLDK棟。連窓を庭の緑が埋め尽くしています。とても小さな庭なのですが、手入れの行き届いた緑が近隣の建物を隠して、シークレットガーデンのような不思議な魅力があります。
異なるイメージのふたつの空間が1枚のガラスが隔て・つなげているという、ちょっと幻想的な眺め。映画やアニメで見た「ドアの向こうは別世界」を連想しました。開口部の方位が真逆なこともあり、光の色温度も違います。計算されているなあ
↓ 半地下のように感じる「アトリエ」ですが、中庭を介して直接外からアクセスできるので、ここでカフェを営んでいた時期もあったとか。クリエイティブな住まい手さんなので、カフェくらいできちゃうだろうなあ……と納得!
↓ ここはアトリエの手前の小さなホールで、異国風の中庭に面しています。絵になるシーンがあちこちに……どこから撮ったらいいのやら、興奮してまごまごしてしまいました。
↓ こちらは地下のスタジオ。防音にも配慮されたつくりで、見たことがないようなオディオ機材で溢れていました。秘密基地感◎(ここで思いっきり歌ってみたい)
歩き回るうちに、いろんな家を渡り歩いているような気分になるほど、場所ごとに違う顔があります。それは、空間性の差異からくるものであり、住まい手がそれを敏感に感じ取ってイメージを膨らませ、空間に似合う味付けをしているからかも、と思いました。
実は、住まい手さんは次なるライフステージに向けて、愛着あるこの家を手放すことにしたそうです。新たな住まい手もまた、ゆるぎなく美しい空間の骨格に触発され、その人なりの味付けが加わるのだろうと思います。
撮影にご協力いただき、ありがとうございました!
阿部勤さんが設計された他の家の動画もあります。まだの方はぜひご覧ください。
↓ 木造の簡素な小屋。眺望が最高です
↓ 住まい手がつくりあげた緑がモリモリの家。今見たら、150万回視聴されていました!すごい……
↓ 阿部さんの自邸です。建築家の方でこの家のファンだとおっしゃる方がとても多いです。生前の阿部さんも登場されてます
↓ 建築家の方々数名に阿部邸にお集まりいただき、阿部さんにインタビューさせていただきました。一品生産の住まいの魅力をおうかがいしました
阿部さんが亡くなってからも、ずーっとお世話になりっぱなしです。ありがとうございます!
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