自然素材にやすらぐ女性建築家の自邸_4

こんにちは。このブログでは住宅分野のフリライターemが、独自に住宅を取材しレポートします。建築家・熊澤安子さんのご自邸レポートも4回目となりました。敷地入り口からアプローチまでを第1回で、玄関とリビングを第2回、ダイニング・キッチンを第3回でご紹介しましたので、合わせてご覧ください。

今回ご紹介するのは、1階にある熊澤さんの設計事務所アトリエ部分です。玄関から二手に分かれる動線を左に上がり、突き当りを左に進むとアトリエ。玄関ポーチに面した大きな窓が、ショーウィンドウのように洗練された雰囲気をつくっています。

1階の間取りはこちらです ↓


ダイニング・キッチンとは裏動線でつながっている位置関係。仕事の合間にお茶を入れたりするのに、便利な動線です。

廊下の途中には倉庫のドアが。最初は金ピカだったであろう真鍮の握り玉は、9年の歳月を経て表面が酸化し、いい色合いに。これは劣化ではなく、進化。

壁には小さなニッチをつくってあります。

通路の左側には上着をかけられる小さなクローゼットが。玄関から入ってすぐここにかけられるので、スタッフも上着をアトリエに持ち込まずにすみます。

アトリエの明るい窓辺には、フリッツ・ハンセンの打ち合わせテーブルを。窓ははめころしガラスで枠がなく、庭の風景が絵のように見えます。ベンチのように腰掛けられる窓台の高さ・奥行きがくつろげる雰囲気をつくります。窓下には通風用の板戸があります。

熊澤さんのデスク。図面やカタログなどのかさばる資料は、造り付けの書棚にスッキリと納めました。デスク横にも小窓を添えて、外には緑を。風を感じながら仕事をしたら気持ちがよさそうです。写真左にはスタッフ用のデスクがあります。

デスクからも、こんなふうに打ち合わせテーブル越しに庭の様子を眺められます。ときどきパソコンから目を上げて緑を眺めたら、力が抜けて目も休まりそう。

トイレは玄関入って右手の螺旋階段の横にあります。来客も使用することを考慮して、広さに少しゆとりをもたせ、腰までボーダータイルを張り上げました。左の物入れを床から浮かせて壁に取り付けることで、床面を奥まで見せ、広さを感じさせています。絵や花を飾ると部屋としての快適さがアップしますね。

1階のレポートはこれで終わり。次の記事では、寝室や子ども部屋、浴室がある2階をご紹介します。


この家の動画は以下で見られます。心地よい空間を、よりリアルに疑似体験できます。アトリエ部分は7:26〜

この家を設計した熊澤安子建築設計室のHPでは、他の事例の写真もご覧になれます。

面積や内外の仕上げ、設備メーカーなどの詳細は、第1回の記事の最後に記載しています。


次回もお楽しみに!

住まい逍遥

住宅・ライフスタイルをメインフィールドとして活動するフリーライターの松川絵里が、憧れや共感、好奇心を掻き立てられるスタイリッシュな住宅を、取材・レポートします。動画で美しい空間やライフスタイルを疑似体験するルームツアー・チャンネル「Cozy Houses in JAPAN」を運営。 https://www.youtube.com/c/CozyHousesinJAPAN_housetours