内覧会メモ_マスタープラン/小谷和也設計室
新築住宅の内覧会におじゃましました。マンションリノベーション界の寵児、小谷和也さんの設計です。施工はToivoさん。Toivo専属大工Kさんさんのご自宅なのです。
LDKは2階に。リビングの開口部には、板戸が内側と外側に1枚ずつあります。左右どちらかに寄せることで、開口部の位置を気分によって変えられ、内外の板戸をずらせば遮光ができるという試み。
内覧会後の飲み会で、他の建築家の方に「左右どちらを開けるのがいいと思いますか?」と聞いてみたところ、意見が分かれたのが面白かったです。おそらく、引越し後はどちらかに固定になるのだろうなと思っています。どちらに落ち着いたのかと、その理由を1年後くらいにうかがってみたいですね。
リブ天井の美しい収まりには気を使われたそうです。床材は基本的にスギ。小谷さんのマンションリノベーションでもスギの床がベースになっています。
リビング・ダイニングの床は一段下がっており、ダイニングの床はケヤキです。珍しいなと思いKさんに理由を尋ねたところ、「修行時代に、親方からケヤキの玄関框を仕上げろと言われ、ピンピンに鉋(かんな)を研いで立ち向かったが、すぐに刃こぼれしてしまい、研いでは刃こぼれを繰り返してたいへんだった」という思い出の材種なのだとか。
材は銘木店で一本買いをして挽いてもらったそう。ふつうに買えばかなりの高額。値段は秘密だけど、だいぶお値打ちものだったそうです。ケヤキは暴れやすい材とのことで、今後どうなっていくか興味深いです。
テーブルの向こうのカウンターもケヤキ。ダイニングテーブルは譲り受けたものだそうですが、オイルをかけ直して新品のようにきれいでした。「それが無垢材のいいところですよね〜!」と共感しました。
腕利きの大工さんが自宅を建てるとうかがい、楽しみにしていました。仕上がりの美しさはもちろんのこと、そのストーリーやKさんの誇らしげで嬉しそうな表情に、ふだんの内覧会では味わえない種類の、幸せのおすそ分けをいただけた気がします。
ありがとうございました!
ちなみに、Toivoさんはマンションリノベーション専門の工務店さんですが、これを機会に新築住宅にも手を広げるのかと思いきや、たいへんな忙しさとのことで、依頼者はまあまあ待つことになりそうです。(2024年8月現在)
小谷さんのHP↓
ToivoさんのHP↓
小谷さん設計のリノベーションの動画を、以前撮らせていただきましたので、よろしければ御覧ください。(施工は別の会社です)
以前、Toivoさんの動画を撮らせていただきましたので、よろしかったらご覧ください。
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