建築家 阿部勤さんを偲ぶ会にうかがいました

2023年8月26日(土)、建築家 阿部勤さんを偲ぶ会が行われたので、うかがいました。

会場は、阿部さんが設計された賀川豊彦記念松沢資料館 (東京都世田谷区)。阿部さんの軌跡をたどる年表やスケッチ、図面や模型といった資料が展示され、ホールには献花のための祭壇が設けられていました。


会場には阿部さんにゆかりのあったたくさんの方でにぎわっていました。亡くなられてからだいぶ月日が経過していたこともあり、会場内には和やかな空気が流れていました。阿部さんのお弟子さんたちは、すでに大学の教授をつとめていらっしゃる方も複数おられ、そういう方々が汗をかきつつ会場の案内係をされている様子には、心が和みました。みなさん、阿部さんの教えを受けたことを、誇りに思っていらっしゃるのが感じられました。


ある部屋では、大きなスクリーンに阿部さんと親しかった方々の弔辞のビデオとともに、私が制作した動画(阿部さんの自邸とMさんの家)を流してくださり、たいへん光栄でした。ありがとうございました。


下の写真は、お弟子さんの一人である建築家の若原一貴さんが、展示品の準備中に発掘したという小さな写真を引き伸ばしたものだそう。私は最近ご縁ができたのでこの頃の阿部さんを存じませんが、目の輝きは変わりませんね。


建築の素晴らしさだけでなく、オープンマインドでユーモアたっぷりなお人柄が愛された方でした。この日はきっと天国で、先立たれた奥様と乾杯されていたことと思います。

改めてご冥福をお祈りいたします。

ところで、私はこの記念館の「賀川豊彦」という歴史上の人物を知らなかったのですが、キリスト教精神で貧困の人々の救済に奔走したり、生協運動を起こしたり、平和運動をしたりと、人のために尽くした傑物だったそうです。大正期には自伝的小説『死線を越えて』でベストセラー作家にもなっています。興味が湧いたので本を読んでみることにしました。


この日、動画を撮影させていただいた住まい手さんと再会。自宅のぶどう棚でできたぶどうを、おみやげにちょうだいして感激でした。キッチンの天窓から見えるぶどうの葉陰が、日に透けてとても美しいのです。動画にもそのシーンがあります。


完熟のぶどう、本当に甘くて美味しかったです。ありがとうございました。阿部さんがお元気なら、きっとお届けになっていたはず。召し上がってほしかったなあ。

住まい逍遥

住宅・ライフスタイルをメインフィールドとして活動するフリーライターの松川絵里が、憧れや共感、好奇心を掻き立てられるスタイリッシュな住宅を、取材・レポートします。動画で美しい空間やライフスタイルを疑似体験するルームツアー・チャンネル「Cozy Houses in JAPAN」を運営。 https://www.youtube.com/c/CozyHousesinJAPAN_housetours