展覧会メモ_ニコ設計室展「それはあなたの言葉から」
ニコ設計室 西久保毅人さんからご案内いただき、東京・南青山のプリズミックギャラリーで行われた「それはあなたの言葉から」におじゃましました。今まで見たことがないような建築展で「西久保ワールド」が開陳されていました。
施主さんには必ず「つぼノート」をつくってもらうんだそうです。好きなものやことを、思いつくままにスクラップしたり描いたり書いたり。必ずしも家のことじゃなくてもOK。西久保さんは、膨大な情報の中から浮かび上がっているテーマをすくいあげ、家というかたちに落とし込みます。
家づくりではよく施主さんに「優先順位をつけましょう」と言いますが、西久保さんはとらわれていないようです。その人や家族の全体像をつかんでしまえば、おのずと見えてくるのでしょうか。
展覧会のテーマにもなっている「言葉」。言葉にすることで、ふわっとしていた自分たちの価値観が輪郭を持ち、目指すべき方向性をつくり手と共有できるのですね。
模型も、色や素材感が豊かで、施主さんがこれを見たらワクワク楽しい気持ちになれるだろうな……と思いました。
つくり手との協働、という意識の強さもうかがえました。本来家づくりはそういうものだと思いますが、つくり手ひとりひとりの顔が見えると、住み始めてからもずっとその人達への感謝や、自分のために特別なものをつくってもらったという、贅沢な感覚が続くんじゃないかと思います。
西久保さんからはいつも、「人が好き!」が漂ってきます。みんなでお祭りみたいにワイワイ楽しくつくりあげた家は、家というよりひとつのキャラクターを持った存在になるのでしょうね。会場に据えられていた、でっかい左官づくりのネコのように。
西久保さん、ありがとうございました!
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