動画公開:建築家による戸建てフルリノベーション

昨日、今年始めてルームツアー動画を更新しました。戸建てフルリノベーションです。

住まい手さんは中古住宅を購入し、リノベーション設計を丸山弾-スタジオさんに依頼しました。

明るい2階をLDKに。元々の建物のかたちをとてもうまく使って、庭に対して開放的でありながらくびれのある空間をつくり、長く視線を通しつつ見え隠れによち突き当りまで見せないことで、居心地の異なる実に多様な場が生まれています。

リノベーション設計の見事さもさることながら、建築やインテリアがとてもお好きな住まい手さんが、隅々まで気に入った空間に仕立てている様子が好ましく、どこも快適そのもの。暮らしの場を美しく整えることが、この方の喜びなんだなあ、と思いながら目の保養をさせていただきました。

建築雑誌の編集部にいた四半世紀前、リノベーションの特集に「リノベーション時代到来!」みたいな威勢のいいタイトルを付けたような気がします。あの頃はまだバブルのスクラップ・アンド・ビルドの余韻が残っていて、欧米諸国では当たり前の「古い建物を直しながら長く使う」という空気は薄かったなぁ。しかし今では「リノベ」という言葉も一般に浸透し、日本にも文化として根付いた感すらあります。そして世の中の関心は「断熱改修」にまで広がったようです。


さて、1階には、庭の緑に包まれた寝室やライブラリーがあります。

造園は「彩苑」の栗田信三さん。これまで、住宅取材の仕事で何度も栗田さんのお庭に出くわしてきました。同じ雑木の庭といっても、造園家さんによって個性があることが、だんだんわかってきます。栗田さんの個性をうまく言葉では言い表せませんが。

住まい手さんの、この家への愛情を感じながら、動画をご覧いただければ幸いです。

丸山さんと知り合ったのはずいぶん前、まだ独立されて間もない頃で、建築家の熊澤安子さんからのご紹介でした。それ以来、幾度となく取材のチャンスをうかがっていたのですが、なぜか機会に恵まれず、このたび晴れて初取材となりました。動画という自分メディアを持てたことの喜びを、改めて噛み締めました。丸山さんのHPもぜひご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

手元に撮りためた動画も、順次編集に取り掛かりたいと思います。

住まい逍遥

住宅・ライフスタイルをメインフィールドとして活動するフリーライターの松川絵里が、憧れや共感、好奇心を掻き立てられるスタイリッシュな住宅を、取材・レポートします。動画で美しい空間やライフスタイルを疑似体験するルームツアー・チャンネル「Cozy Houses in JAPAN」を運営。 https://www.youtube.com/c/CozyHousesinJAPAN_housetours