動画公開_敷地13坪に建坪9坪の美空間。ムダはなく、余白はある。
とても便利な立地ですが、住宅が密集する防火地域。敷地13坪に建つ建坪9坪の家で、間口約5.9m、奥行き約5m。遠藤さんの建築デザインに惚れ込んだご夫妻は、粘りに粘ってついに設計してもらえる幸運を手にしたのだとか。やはり「熱意」を伝えることは大事だなと思いました。
1階は玄関のみならずすべてがコンクリートの床。モルタルで表面を均す手法はよく耳にしますが、ここではコンクリート2回打ちで滑らかな質感を実現したそうです。
物量をコントロールできるご夫妻であることは間違いないですが、ゆとりを感じさせるスペースがどこも美しくしつらえられており、その場にいるときは建坪の小ささなど忘れてしまいました。
玄関横の引き分け戸を開くと、衣類収納と靴収納を兼ねたクロゼット。突き当りに見えるのが寝室です。1階には玄関・収納・寝室・水回り・階段といった諸機能が詰め込まれています。1フロアに2つの用途をもたせる、行き止まりのない回遊動線をつくるといった狭小住宅のテクニックが駆使され、とても機能的。
2階は、ワンルームのLDKとパントリー。そして、鉄骨を入れず木だけで持たせているという片持階段はロフトへと続きます。「踏み込むと少したわみますよ」と言われて上がりましたが気づかない程度でした。細部まで突き詰めデザインされた空間には雑味がなく、透明感が生まれるんですね。
リビングエリアの造作ソファからキッチンの角まで対角線上に抜け視線が抜けていることもあり、とても広く感じます。壁・天井はほんのりグレージュの漆喰塗りです。
吹き抜けのダイニングキッチンと、洞窟のようなリビングコーナーの対比。ゾーンごとに異なる性格を与えることで多様な空間体験が生まれ、それは広く感じさせることにもつながります。
直射日光は、高窓から取り入れます。密集したファサード側からは想像できない明るさと開放感。周辺環境を読み取り設計に生かすことの意味がよくわかります。
一切のムダがないけれど、心を遊ばせる余白はたっぷりある。建築家と住まい手の共作とも言えるような心地よい住空間です。
マイホームを楽しむハッピーなオーラと美に満ちた家。こちらまで幸せな気持ちにさせていただきました。ありがとうございました!
動画には間取り図も掲載していますので、ぜひご覧いただきたいです。
所在地/東京都
敷地面積/41㎡
延床面積/58㎡
竣工/2024年
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